写真展感想メモ〜その3
「揺れ動いた’60年代の光と影」
【写真展感想メモ〜その3】
「揺れ動いた’60年代の光と影」
作者〜熊切圭介 見た日〜08.6/6(キヤノンギャラリーS)
60年代日本の世相を反映するドキュメント写真。熊切さんには今まで何度もお会いする機会があったのだが作品のことはほとんど知らないままだった。不勉強を反省しながら見る。
60年代ニッポンの出来事・・・・デモや通勤ラッシュ、「レジャー」という概念の浸透、その他高度経済成長にかかわる様々なことがらを、作者が週刊誌の取材カメラマンとして撮影し続けた作品群だ。多くの作品で群衆が被写体となっているが、これらの持つエネルギーが強烈な光を放っている。
学生運動、デモ、集会、日本ダービーの観衆などなど・・・・。発端が、政治的イデオロギーであれ娯楽への目覚めであれ、怒りであれ笑いであれ、それら日本国の群衆が、思いの先にある何かを期待し、信じていた顔に見える。これは21世紀の日本人の顔を見慣れた目にはえらい新鮮なことであった。この頃の人たちはみんな信じてるんだよなぁ、未来を。
そしてこれらの中から本質を掘り起こそうとし、表現しようとした報道写真というメディアのまっすぐなエネルギーもしかり。
もちろんそこに熊切圭介というずば抜けた仲介者がいたからこそ、僕らはそれを噛みしめることができるのだろう。
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