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写真展感想メモ〜その2
「宮本常一と歩いた九州・・・昭和37年」

080615
写真と本文は関係ありませんが品川にて。

【写真展感想メモ〜その2】
「宮本常一と歩いた九州・・・昭和37年」
作者〜芳賀日出男  見た日〜08.6/6(オリンパスギャラリー東京)

 雑誌「太陽」の連載のために、民俗学者の宮本常一氏と写真家・芳賀日出男氏が各地を取材した際に撮影された作品。
 途中で出版社営業サイドの意見により連載が打ちきりとなり、日の目を見なかった未公開写真がほとんど。宮本本人が被写体となっているカットも多数。
 長崎・上五島の頭ケ島キリシタン墓地などの写真もあり、かなり不便な場所までくまなく取材をしていたことがうかがえる(実際に僕が同じ場所へ行ったときには神奈川の自宅から7時間以上かかった)。
 直前に見た「宮本常一が歩いた日本… 昭和37年〜39年」と何割かは同じ場所で撮られている。宮本氏とほぼ隣り合わせの立ち位置から撮られたカットも数点あり、さすがプロとしての上質な仕事ぶりを感じた。芳賀さんがスタッフに話している声がちらと聞こえてくる。「みんな日本のことをまだまだ知らないんだよ・・・・」

 僕自身が生まれる数年前の写真ではあるが、やけに既視感のある風景が多く、幼児期にすごした郷里の空気感を味わうような気持ちになる。
 また、写っている人物一人ひとりの表情が秀逸で、ピントの外側にいるぼやけた人物にさえ、物語のイメージがすっと心の中で広がっていく。あー、世の中の他人さまにもこんなにドラマがあったんだっけ。それを丹念にすくい取れているのも写真家・芳賀さんの力があってこそ、と思う。
 しかし、こんなに「バリアー」を取り去った(取り去るバリアーが元もとないというべきか?)他人の表情が、今の日本にどれほど存在しているのだろう。

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